婦人

大正デモクラシーの時期、婦人という語は、普通選挙権要求運動とも連動し、斬新な響きを持った。「婦人公論」に代表されるように、「意識の高い成人女性」との響きさえあった。社会主義国家群でも、「婦人解放の日」を制定した。[1]

婦人という語感が、「年輩女性」との意味合いも持つようになったが、次第に使われなくなった。

男権優位的な言葉である夫人(これは既婚女性を指す)の代替語として使われたこともあったが、やがてフェミニズム論者に「婦」の字は「女」に「帚」であり、女性差別的な表現であるために使わない方がよいと指摘されたことも[2]、使用が減ってきた原因の一つである。しかし「婦」の字の「箒」は清掃の道具ではなく、祭壇を掃き清める道具であると漢字学で解釈されている(詳しくは箒の語源を参照)ので[3]、安易な言葉狩りであるとも言われている。

現代の日本語においてより一般化した呼称が「女性」である。

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女らしさ(現代の若者の意識調査)

文部科学省の外郭団体である財団法人「一ツ橋文芸教育振興会」と「日本青少年研究所」は、2003年秋に日本・米国・韓国・中華人民共和国の高校生各千人を対象にアンケート調査を行い、2004年2月にその結果を発表した。この結果にもとづき、読売新聞は、日本では「女は女らしくすべきだ」を肯定した生徒が28.4%であり、他国(米58.0%、中71.6%、韓47.7%)よりも「突出して低い」と報じた。また、「男は男らしく」を肯定した人も43.4%と、4カ国で唯一半数以下であると指摘した

なお、上記の新聞記事が引用し、日本青少年研究所が公開している調査報告書には、単純集計結果と男女別集計結果が記されている。この報告書における男女別集計結果によれば、調査対象者と各項目を肯定した者の男女比は下記の通りである。

調査対象と調査結果(「肯定」は「全くそう思う」と「まあそう思う」の割合の合計。単位は%)
Flag of Japan.svg日本 Flag of the United States.svg米国 Flag of the People's Republic of China.svg中国(大陸) Flag of South Korea.svg韓国
調査対象 (男子:女子) 35.0:64.8 47.6:52.1 45.7:54.0 52.9:47.1
女は女らしくすべきだ 肯定 (男子:女子) 38.9:22.5 61.0:55.5 75.4:68.0 61.3:32.3
男は男らしくすべきだ 肯定 (男子:女子) 49.2:40.4 65.1:62.4 83.0:79.7 67.4:40.9

読売新聞2月20日朝刊の社説は、「日本青少年研究所」が公開した4カ国対象の意識調査において、「女は女らしくすべきだ」を肯定した日本の生徒が少なかった事などにもとづき、「教育界で流行している『ジェンダーフリー』思想の影響を見て取ることができる。」とし、その社説の最後で「調査結果は、倒錯した論理が広がったときの恐ろしさを示している。」と結論づけた。

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明治以降の「女らしさ」

明治時代から「女らしさ」は女性の自然の発露であると述べる人もいた。あまりに人工的なものは疎んじられていた、と指摘する人もいる。

例えば次のようなものが「女らしさ」と考えられた

感情表現が豊か
細やか
子供に対する愛情が豊か。あるいは、いわゆる「母性」。
(男性に比べて)より安全な方法を好む。無謀なことを避ける。平和を好む。(無駄に)自分の勇敢なところを見せようとはしない。

否定的には

「感情的」「ヒステリック」
「すぐに泣く、涙を流す」「泣いて誤魔化す」「ウソ泣きで(周囲の)人を操ろうとする」
「ずるい」
「嫉妬深い」「すぐにねたむ」
(嫉妬のあまり)他者を貶めようとして、事実に反する噂を作って意図的に流したりするなど、さまざまな人間関係上の悪だくみを行い、人間関係の平和を根本から乱す。
女性どうしでもたがいにねたみ、互いの足の引っ張り合いばかりしている。同僚でも足の引っ張り合いをする。
ものごとの見方が自己中心的。全てのものごとを、あたかも自分が主人公であるかのような視点でとらえる。出来事を、自分中心の視点ばかりで周囲の人々に語り、行動する。その結果、人間関係でいざこざを引き起こす。
嫁と姑がかなりの確率で喧嘩をする仲になる、ということは世界的に有名である。大抵の場合、姑は、ほとんど自分の視点や息子の視点でしか ものごとを見ない(=自己中心性。相手の立場からものごとがどう感じられるか、つまり嫁の立場からものごとがどう見えるか、心の底から思いやることをしない)。嫁のほうも、自分の視点からものごとを見て、姑の視点から見てみることが少ない。生まれつき自己中心な女性二人が、「嫁」と「姑」という立場でたがいに対峙するので、大抵 仲が悪くなる。(義理の息子と義理の父親は、そこまでの高頻度で仲が悪くなることはない、ということは世界中で知られていて、常識となっている。)
会社の従業員どうしの人間関係でも、(男性社員と比べて)はるかに女性社員同士で、憎みあったりすることや、陰口をたたくことや、陰湿ないじめ・いやがらせをすることが多い。(男性社員は、女性社員に比べれば、そういう状態になることは少ない。)
「欲深い」「自分のことばかり考えている」
「不平・不満ばかりを言う」「愚痴が多い」
(男性と比べて)(自分のやること、やるべきことに注意を向けておらず)「自分の外見のことばかり気にしている」「ひとからの評価ばかり気にしている」
表面だけ偽装して誤魔化す。化粧や「作り笑い」をする。表面だけ偽装し、自分の心の根本を反省することを後回しにする。年齢を重ねても、男性のように何らかの知恵や悟りに到達する人が少ない。仏教では古くから「女人、度し難し」(にょにんどしがたし。=女は悟りに到達できない)と言う。女人成仏[2]は不可能だともされている。

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女らしさ

女らしさ(おんならしさ)とは、これが女性の特性(あるいは特徴・要件等)である、と特定の話者や特定の集団が想定している観念群のことである。「男らしさ」に対置される観念。

「女らしさ」は、文化圏、地域、宗教の教派、歴史、時代、世代、家庭環境、個人の嗜好などの影響を受けつつ形成され、多様である。同一地域、同一文化圏であっても、時代とともに変化してゆくことは多く、ある人が思い描く「女らしさ」も、年齢や経験とともに変化してゆくことは多い。
ポルノ女優や売春婦のように、肌を露出し、性的な振る舞いをすることが、果たして「女らしさ」かどうかは、議論の余地がある。(写真はアメリカのポルノ女優 ナタリア・スター)

例えば、日本では「男は度胸、女は愛嬌」というが、これは女性は愛嬌があるほうが女らしくて魅力的だ、つまり、女性というのは、愛想が良くあるべきだ、とか、笑顔を見せてひとに感じ良く振る舞うほうが女性としての魅力がある(そうあるべきだ)、という考え方である。

一概には言えないが、要素ごとに、文化的に醸成されたものである、とする見解や、生物学的差異に由来するもの、とする見解がある。例としては、前者を指摘する場合は、躾(しつけ)や社会環境(前述の文化・地域・宗教・歴史・家庭環境 等)による人格形成への影響などを指摘する見解がある。後者を指摘する場合は、ホルモンの違い、(その結果として生じる)脳の性差などで性格・性向が規定されている可能性を指摘する見解がある。文化人類学者などは文化的な面に比重を置いて言及し、生物学者などは生物学的な面に焦点を当てて他の面を見落としてしまうことが多い。いずれにせよ、全ての要素を一般化して説明することは困難である。

なお、コミュニケーションのしかたについては、Deborah TannenやJulia T. Woodらによって、男女差(「男らしさ」(「男のやりかた」)「女らしさ」(「女のやりかた」)があることが指摘されている。それが相互不理解、相互誤解のもとにもなっているという。

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女書による作品

女書による作品の多くは「三朝書」(三朝书、ピン音: sānzhāoshū)という形式である。これは布を綴じて製作した小冊子であり、義姉妹(结拜姊妹、ピン音: jiébàijǐemèi)または母により、女性の結婚時に贈られるものであった。「三朝書」には詩が書かれており、結婚して三日目の女性のもとに届けられる慣わしであった。これらの詩は結婚した女性の幸福を願い、また村を離れて結婚する女性への悲しみの念を表すものであった。

その他、詩や歌詞などを帯や紐、衣服などの日用品に織り込むこともあった。

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女書(現状)

2004年9月30日に女書の最後の自然伝承者である陽煥宜が98歳で死去した。

絶滅の危機の中で、学習して継承を目指す、何艶新のような人もいるがごく少数である。

現在中国政府は女書の保護を重視している。研究拠点と観光地を兼ねた「中国女書村」が2003年に湖北省宜昌に開設された。

2007年にすでにUnicodeに女書を加えることが提案されていたが、作業は難航し、2017年のUnicode 10.0 で追加多言語面のU+1B170-1B2FFに収録された。コード割り当ては画数の少ない順に配列されている。

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女書(歴史)

近年まで、江永県を含む地域では女性が漢字(=男書)を学習することは良しとされてこなかった。女書はこのような状況下で生み出され、姉妹や兄弟の妻など、主に女性親族の間で秘密裏に用いられてきた。また、男性が女書を学習することは厳禁とされた。また、工芸品などの模様のようにして文字を偽装することも行われた。多くの文書は一行につき5文字または7文字で構成された詩の形をとった。

女書は数百年にわたり存在してきたものであるが、最近までその存在はほとんど外部に知られていなかった。1982年、武漢大学の宮哲兵教授により「再発見」され、学術的研究が開始された。

現在までに知られている文献で女書の存在に言及している最古のものは、民国年間の1931年に出版された『湖南各県調査筆記』である。これは湖南地方の地勢や風俗を調査して記録した文書で、永明県 (江永県の旧称) 部の花山条に次の記述が見える。

〔…〕言い伝えでは、明の時代、譚という姉妹が〔…〕薬草を採りに山に入ったが、ともに座ったまま亡くなっていた。人々は山頂に廟を作って祀った (今は花山廟と呼ぶ)。〔…〕毎年5月には、各郷の女性が香を焚き礼拝し、歌扇を持参して声を合わせて歌唱して悼む。その歌扇に書かれる文字はとても細かく、蒙古の文字に似ている。県内の男性でこの文字を読める者はいないようだ。

花山廟は文革期に破壊されたが、廟と譚姉妹への信仰はその後も続いている。

太平洋戦争中には日本軍により女書の使用が抑制されたとされる。中国人による暗号文書としての使用を懸念したためであった。

文化大革命以前においては、女書による文書は著者の死去に伴い殉葬品として焼却する習慣があった。また文革期には多くの女書による作品が破棄された。このため、女書による作品で現存するものはきわめて少ない。文革後、女性の文化水準の向上に伴い、女性は女書によらずとも互いの交流が可能になり、女書の使用価値は減少した。その結果女書の学習者は激減し、女書は絶滅の危機に瀕し始めることとなる。

1993年、南京の骨董市場で、古銭愛好家が女書の刻まれた太平天国期のものと称する銅貨を入手した。この銅貨の背面には女書で「天下婦女 姉妹一家」と記されていたため、最古の女書文字資料ではないかと注目された。しかし、歴史学者の張鉄宝 (太平天国史) の鑑定によれば、太平天国期の貨幣の規格に合わないこと、当時の技術水準では製造が困難であること、鋳造されたものではなく銅材に彫られたもので母銭 (鋳型の母型) としても使用に耐えないことなどから、早くとも民国年間以降に、贈答や娯楽の目的で貨幣に似せて製作されたものであろうという。

2005年9月、呂芳文 (湖南省社会科学院歴史研究所) と郭輝東 (湖南省経済研究情報センター) は、湖南省東安県芦洪市鎮の斬竜橋で女書を刻んだ石碑を発見した。文献によれば、斬竜橋は宋代にはすでに存在したことがわかっている。石碑が橋と同年代のものであれば、女書文字資料の年代は最大で宋代まで遡ることになる。また、これまで知られているより広い範囲で使用されていた可能性も出てくる。

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女書

女書は、中国南部の湖南省江永県などの地域において、専ら女性により用いられた文字。絶滅の危機に瀕している。

女書の文字はこれまでに約1000-1500文字が収集されている。各文字は「点」「縦棒」「斜線」「弧、折れ線」の4種類の筆画からなっており、これら筆画は細く書くことが良しとされる。文字の形状は縦に長い菱形である。伝統的な中国語や日本語の書き方と同じく、右縦書きで書かれる。

女書は音節文字である。すなわち、ひとつの文字が同じ音節で表される複数の意味を区別せずに、ひとつの文字で書き表す。多くの文字が漢字を故意に変形して作られたが、一方で伝統的な刺繍の模様から派生したとみられる字もある。

近年の使用範囲として、湖南省江永県、道県、江華ヤオ族自治県が知られている。江永県県城の土語の発音に合わせて作られており、周辺の地域では土語の発音が異なるが、県城土語の発音によって読まれるため、県城から広まったものと考えられる。

基本的に県城土語の音節に合わせて一音節一字の女書が用意されているが、例外的に、音節があっても文字がない例、異体字がある例、一字で複数の読み方がある例も見出される。

女書は日常的に筆記の用途に用いられるほか、「三朝書」と呼ばれる新婦への詩を記した贈り物にされることが多く、また、文字自体が刺繍の柄としてもしばしば用いられた。

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女房言葉

女房言葉(にょうぼうことば、女房詞)とは、室町時代初期頃から宮中や院に仕える女房が使い始め、その一部は現在でも用いられる隠語的な言葉である。語頭に「お」を付けて丁寧さをあらわすものや、語の最後に「もじ」を付けて婉曲的に表現する文字詞()などがある。

省略形や擬態語・擬音語、比喩などの表現を用いる。優美で上品な言葉遣いとされ、主に衣食住に関する事物について用いられた。のちに将軍家に仕える女性・侍女に伝わり、武家や町家の女性へ、さらに男性へと広まった。

有職故実書『海人藻芥』や『日葡辞書』・『日本大文典』などのキリスト教宣教師による日本語本にも一部が記されている。

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女房(転用・転訛)

近世になると、高貴な者、特に世襲親王家の当主などが正室以外の女性に手をつけて子を産ませると、その女性のことを家女房(いえにょうぼう)と呼んで事実上の側室扱いとした。例えば久邇宮朝彦親王は正妃を置かず、5人の家女房とのあいだに18人の王子女を儲けたが、そのうちの一人が明仁上皇の外祖父に当たる久邇宮邦彦王である。

この語の意味するところは時代が下るにつれてさらに地位が向上する。女房(にょうぼう/にょうぼ)は、今日の日本語では妻(すなわち正室)の意味で用いられている。

さらに転じて、仕事上における不可分の存在を伴侶的な意味をこめて比喩的に女房役(にょうぼうやく)と呼ぶこともある。例えば野球の投手に対する捕手、内閣の総理大臣に対する官房長官などがこれにあたる。

なお雲伯方言では女性のことを「にょば」と言うが、これは「にょうぼう」が転訛したものであると考えられている。

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